「オタクがばれない服が欲しい…」そんな決意をして幾星霜。みずからのコンプレックスと闘い、煩悩に敗北し、欲望に戸惑い、憧れを胸に抱く、前代未聞のファッションエッセイ! 読切り3編を収録して、あなたに問いかける、オシャレ問答!

まさにこのタイトル通り。日々、人は何かしらの服を“選んで”着ている。いわゆるＴＰＯを考え、魅力的な部分をアピールできるか、はたまた少しでもコンプレックスを隠すことができるか、悩みすぎて自分がそもそもどんな服を求めているのかがわからなくなってしまい、服を選ぶことに辟易することもある。しかしそれでも、自分が素敵と思える服を着ればテンションは上がるし、ブランド物を身に付ければ少し背筋が伸びる自分もいる。この「裸で外には出られない」は、そんな「服」について、作者・ヤマシタトモコさんが日々思うこと、欲していること、愛を注いでいることなどを描いたエッセイ作品となっている。ファッションエッセイというと、どうしても「おしゃれの見本のような人からテクを学ぶ」という読み方になりがちだと思う。使えるか使えないかはひとまず置いておいて、肩肘張らずに楽しめる作品となっている。また、細かいディティールが素晴らしく、文章で説明すると非常に長くなりそうなので、ここでは割愛させて頂くが、「この人にこんな服を着せてみたい」というシチュエーション妄想は本当にハマるので、ぜひとも一読して頂きたい。