中世真言僧の言説と歴史認識txt,chm,pdf,epub,mobi下载 作者:佐藤愛弓 出版年: 2015-3 页数: 720 装帧: 精装 ISBN: 9784585210276
内容简介 · · · · · ·歴史叙述という営為の機能を探る 鎌倉時代末期から南北朝期という変革の時代に、天皇・武家などの世俗権力と積極的に関わり、自らの法流を護持し、後世へと伝授した真言僧栄海。 その政治的・宗教的営為を支える背景には、連綿と伝えられる「知」の宝庫たる文庫があった。 文庫に伝持される聖教などの各種史料に残された栄海の活動、そしてそれらと密接な関係を持つ著述・編纂という営為を総体として捉え、時代と社会の中に位置づけなおすことにより、当時の歴史認識と歴史を物語ることの意味を明らかにする。 文学・歴史学・文化史という既存の枠組みを越え、立体的な歴史像を描き出す画期的成果。 推薦文 石塚晴通(北海道大学名誉教授) 本書は、鎌倉時代から南北朝期の政治と結びつき密教活動を展開した栄海の全貌を、第一次資料の丁寧な読み解きに基いて解明した労作である。著者とは専門分野を異にする(...
歴史叙述という営為の機能を探る 鎌倉時代末期から南北朝期という変革の時代に、天皇・武家などの世俗権力と積極的に関わり、自らの法流を護持し、後世へと伝授した真言僧栄海。 その政治的・宗教的営為を支える背景には、連綿と伝えられる「知」の宝庫たる文庫があった。 文庫に伝持される聖教などの各種史料に残された栄海の活動、そしてそれらと密接な関係を持つ著述・編纂という営為を総体として捉え、時代と社会の中に位置づけなおすことにより、当時の歴史認識と歴史を物語ることの意味を明らかにする。 文学・歴史学・文化史という既存の枠組みを越え、立体的な歴史像を描き出す画期的成果。 推薦文 石塚晴通(北海道大学名誉教授) 本書は、鎌倉時代から南北朝期の政治と結びつき密教活動を展開した栄海の全貌を、第一次資料の丁寧な読み解きに基いて解明した労作である。著者とは専門分野を異にする(著者は国文学出身、筆者は国語学出身)が、勧修寺調査等において共同作業を重ね原本重視の研究法を共有して来た。日頃の著者の精進を知る一人として、本書の刊行を慶び大方の精読を期待申し上げる次第である。 推薦文 上島享(京都大学准教授) 歴史家にとって、『真言伝』の作品研究なら手に取る必要はなかろう。文学作品としてさほど高い評価を与えられてこなかった『真言伝』を中心に据えることで、説話文学史を組み替えようとするのが本書である。作品論にとどまらず、時代や社会を射程に入れた中世文化論といっても良い。もちろん異論はあろう。ただ、中世文化を論じる上で、本書第1部(総論)での議論を知っておくことは必要である。
作者简介 · · · · · ·序 一 本書の構成 二 栄海の活動の同時代的・社会的意義 第一部 総 説 第一章 王朝を懐古するということ はじめに 一 説話集の生成と変容―研究史の把握と展望― 二 中世文学の生産者 三 〈王朝喪失〉と説話集 むすび―喪失という矜持― 第二章 〈王朝なるもの〉を描くこと―その政治性― はじめに 一 文化の理想が平安王朝社会であり続けること 二 貴族、僧侶の文化的活動の評価をめぐって 三 王朝的権威の分割保持 四 文化の政治性 おわりに 第三章 仏法史を語る時代―王権との関わりを中心として― はじめに 一 鎌倉時代後期の仏法史叙述 二 栄海の著作と王権 三 南北朝期の真言僧 四 栄海の活動と王権 五 僧侶の側からみた密教興隆 六 『真言伝』の特質 おわりに 第二部 慈尊院栄海の活動と言説 第一章 慈尊院栄海評伝―その活動と著述― はじめに 一 三つの...
序 一 本書の構成 二 栄海の活動の同時代的・社会的意義 第一部 総 説 第一章 王朝を懐古するということ はじめに 一 説話集の生成と変容―研究史の把握と展望― 二 中世文学の生産者 三 〈王朝喪失〉と説話集 むすび―喪失という矜持― 第二章 〈王朝なるもの〉を描くこと―その政治性― はじめに 一 文化の理想が平安王朝社会であり続けること 二 貴族、僧侶の文化的活動の評価をめぐって 三 王朝的権威の分割保持 四 文化の政治性 おわりに 第三章 仏法史を語る時代―王権との関わりを中心として― はじめに 一 鎌倉時代後期の仏法史叙述 二 栄海の著作と王権 三 南北朝期の真言僧 四 栄海の活動と王権 五 僧侶の側からみた密教興隆 六 『真言伝』の特質 おわりに 第二部 慈尊院栄海の活動と言説 第一章 慈尊院栄海評伝―その活動と著述― はじめに 一 三つの栄海伝 二 出自と受法 三 後宇多院灌頂 四 関東住の記録 五 正和三年の如法愛染王法 六 後醍醐天皇への俗体灌頂 七 『真言伝』の編纂 八 『真言伝』編纂当時の栄海 九 建武の新政期の栄海 十 建武の新政崩壊後の栄海 十一 北朝と栄海3 十二 室町幕府と栄海 十三 怨霊の時代 十四 『釈教三十六人歌仙絵』 おわりに 第二章 栄海と鎌倉幕府―『具支日記応長元年五月』を中心として― はじめに 一 伝本および観智院本の書誌について 二 関東下向と永福寺の修理 三 北条貞時の助成 四 灌頂を支えた僧侶たち 五 他の資料から窺える関東での栄海 おわりに 〔『具支日記応長元五月二通裏 院主』(東寺観智院金剛蔵聖教第二三八函第二号)部分翻刻〕 第三章 栄海と室町幕府―『御修法事』を中心として― はじめに 一 『御修法事』について 二 二間観音について 三 『滅罪講式』について おわりに 〔『御修法事』(東寺観智院金剛蔵聖教第二三二函第二四号)翻刻〕 附 資料紹介 「貞和二年十月八日前僧正栄海自筆譲状」について 〔『貞和二年十月八日前僧正栄海自筆譲状』(勧修寺聖教陰函三〇号)翻刻〕 第三部 寺院における言説とその機能 第一章 慈尊院栄海における政治と言説 はじめに 一 後宇多の灌頂 二 神護寺の宝物 三 鳥羽宝蔵創始の言説 おわりに 第二章 鳥羽宝蔵と勧修寺流 はじめに 一 鳥羽聖教の閲覧と書写について 二 鳥羽宝蔵の同時代的意義―禅助との関係において― 三 「鳥羽聖教」の変容 おわりに 第三章 真言僧における夢の機能について はじめに 一 感夢ということ 二 感夢の内容 三 真言僧における灌頂の夢 四 師が夢を見る作法 五 その他の灌頂の場の夢相 おわりに 第四章 聖教に夢が記されること―栄海の十二の夢― はじめに 一 『真言伝』における霊験 二 栄海が記した十二の夢 おわりに 附 資料紹介 『小野六帖事』について―伝授にまつわる物語― はじめに 一 書誌 二 本文の内容とその特徴 おわりに 〔『小野六帖事』(仁和寺塔中蔵第一七函第二七号)翻刻〕 第四部 慈尊院栄海の著作世界 第一章 『真言伝』からの問題提起 一 『真言伝』の説話研究史的位置づけ 二 冒頭話の問題 三 『真言伝』の構成 四 跋文について 五 『真言伝』の歴史認識 第二章 『真言伝』の文献学的研究 附 三本対校『真言伝』(弘法大師伝) はじめに 一 観智院A本について 二 観智院B本について 三 三本の比較 おわりに 附 三本対校『真言伝』(弘法大師伝) 第三章 『真言伝』の本文の特徴について―関連資料との比較から― 一 『真言伝』における往生ということ 二 相応伝の形成について 三 浄蔵伝の形成について 第四章 『真言伝』の世界像―各伝の繋がりから― 一 菅公の怨霊と承平・天慶の乱をめぐって 二 『真言伝』における仏法と王法―摂関家関係説話を中心として― 三 『真言伝』における天狗 四 密教僧と戦乱―調伏記事を中心として― おわりに 第五章 栄海編『釈教三十六人歌仙絵』の作品世界 一 『釈教三十六人歌仙絵』の編纂について―栄海における和歌と国家― 二 『釈教三十六人歌仙絵』の構想―歌学注釈書との関係から― 第六章 栄海作講式の世界 一 南北朝の騒乱と『滅罪講式』 二 勧修寺蔵『題未詳講式』について 〔勧修寺蔵『題未詳講式』(勧修寺聖教内函一五号)翻刻〕 三 栄海臨終―『弘法大師講式』について― 〔『弘法大師講式』(東寺観智院金剛蔵聖教第一三二函第五号)翻刻〕 終 章 あとがき 初出一覧 索 引 書 名 人 名 事 項
目录 · · · · · ·佐藤愛弓(さとう・あゆみ) 1970年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。天理大学文学部准教授。博士(文学)。専門は日本中世文学。
佐藤愛弓(さとう・あゆみ) 1970年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程修了。天理大学文学部准教授。博士(文学)。専門は日本中世文学。 · · · · · · ()
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